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住宅ローンはいくら借りられる?年収別の目安と無理のない返済計画
2025.6.30
#家づくりの疑問
#資金計画
住宅を購入する際、もっとも大きなハードルのひとつが「住宅ローンをいくら借りられるか」という疑問です。多くの方が不安に感じるこのテーマですが、実はある程度の目安を知っておけば、計画的にマイホームを手に入れることができます。
本コラムでは、年収ごとの借入可能額の目安や、無理のない返済計画の立て方について詳しく解説します。
あなたの理想の暮らしに近づく第一歩として、まずはご自身の年収で「住宅ローはいくらまで借りられるのか」を正確に把握し、無理なく返済できるラインを見極めましょう。
住宅ローンはいくら借りられる?基本の考え方

住宅ローンで「いくらまで借りられるか」を考える際に基準となるのが「年収倍率」と「返済負担率」の2つです。
年収倍率とは
年収倍率とは「年収の何倍まで住宅ローンを借りられるか」を示す指標で、一般的に年収の5~7倍が目安とされています。
たとえば年収500万円の方であれば、2,500万円~3,500万円程度の住宅ローンを借りることが可能とされます。ただし、これはあくまでも“借りられる上限”であり、“無理なく返せる金額”とは異なる点に注意が必要です。
返済負担率とは
返済負担率は「年収に対して年間の住宅ローン返済額が占める割合」です。金融機関によって異なりますが、一般的には年収の25%〜35%以内に抑えるのが理想とされています。
年収別|住宅ローンはいくら借りられる?目安一覧
年収に応じた住宅ローンの借入額の目安を一覧にまとめました。
年収 | 借入可能額の目安 (年収倍率5〜7倍) | 毎月の返済額目安 (35年返済・金利1.0%) |
300万円 | 1,500万〜2,100万円 | 約43,000円〜約60,000円 |
400万円 | 2,000万〜2,800万円 | 約58,000円〜約82,000円 |
500万円 | 2,500万〜3,500万円 | 約72,000円〜約103,000円 |
600万円 | 3,000万〜4,200万円 | 約87,000円〜約124,000円 |
700万円 | 3,500万〜4,900万円 | 約101,000円〜約145,000円 |
800万円 | 4,000万〜5,600万円 | 約115,000円〜約166,000円 |
この表を見ても分かるように、「住宅ローンはいくらまで借りられるか」は年収に大きく左右されます。しかし、大事なのは「借りられる額」よりも「返せる額」です。
住宅ローン借入可能額を左右する3つの要素
住宅ローンの年収に基づく借入可能額は、年収だけでなく以下のような要素によっても変動します。
(1)勤続年数・雇用形態
金融機関は安定した収入を重視します。正社員での勤続年数が長いほど審査に有利になります。
(2)他の借入の有無
自動車ローンやカードローンなど、他の借入があるとその返済額も含めて返済負担率を計算されます。
(3)家族構成・生活コスト
子どもの教育費や生活費など、支出が多い家庭では実質的な返済余力が減るため、無理のない計画が求められます。
無理のない住宅ローン返済計画とは
「住宅ローンがいくら借りられるか」だけに注目するのではなく、「住宅ローン 年収に対して無理のない返済額はいくらか」に注目することが、家計にゆとりを持たせる第一歩です。
理想的な返済計画を立てるには、以下の点を意識しましょう。
- 毎月の返済額は手取り収入の25%以内を目安にする
たとえば月の手取りが30万円なら、住宅ローンの返済は最大でも7万5,000円程度にとどめるのが理想です。生活費や突発的な出費に対応できるよう、あえて余裕を持たせることが将来的な安心につながります。 - ボーナス返済に頼りすぎない
ボーナスは業績や景気の影響を受けやすく、将来的に減額・カットされるリスクもあります。ボーナス返済をあてにした住宅ローン計画は不安定要素が多いため、できるだけ毎月の返済で完結できるよう組み立てるのが無難です。 - 教育費や老後資金も見据える
子どもの進学費用や自分たちの老後の生活資金など、大きな出費は住宅ローン以外にもあります。これらの準備を同時に進めるためにも、毎月の住宅ローン返済が家計を圧迫しないようバランスを取ることが重要です。 - 将来のライフイベントや収入の変化にも対応できる余裕を持つ
転職や育休、介護、病気などで収入が一時的に減少する可能性もあります。こうした変化にも柔軟に対応できるよう、貯蓄や収支バランスに余裕を持たせた住宅ローン設計を心がけましょう。
住宅ローン審査に通るために注意すべきポイント

「住宅ローンがいくら借りられるか」を検討する前に、まずは住宅ローンの審査に通過することが大前提です。審査では、申込者の信用力や収支状況、職業の安定性など、さまざまな観点から評価されます。以下の点に注意しておきましょう。
- クレジットカードの支払い遅延がないか
過去にクレジットカードや携帯電話料金の支払いを延滞した履歴があると、信用情報に「遅延」や「事故情報」として記録されてしまいます。これが原因で住宅ローンの審査に通らないケースもあります。少額でも延滞せず、支払い期日を守ることが非常に重要です。 - 他の借入が過剰になっていないか
自動車ローンや教育ローン、カードローンなど、すでに多くの借入がある場合、返済負担率が高く見なされて審査に不利になります。住宅ローン 年収に対する適正な返済割合を維持するためにも、他の借入はできるだけ減らしておくことが望ましいです。 - 転職直後でないか
勤務先での勤続年数も重要な審査項目です。一般的に、転職直後(目安として半年未満)だと収入が安定していないと判断され、審査が厳しくなる傾向があります。可能であれば、1年以上同じ勤務先で働いた実績を作ってから申込むのが安心です。 - 信用情報に傷がないか確認する
自分では気づいていなくても、過去の支払いトラブルが信用情報に残っている場合があります。事前に「CIC」や「JICC」などの信用情報機関で自己情報を開示し、確認しておくのも一つの対策です。情報に誤りがあれば修正を申し出ることも可能です。
このような事前準備をしておくことで、住宅ローン 年収に応じた適正な借入額が審査を通過しやすくなります。「住宅ローン いくらまで借りられるか」だけに目を向けず、審査に通るための土台づくりも欠かせません。
年収アップ・ライフプランに応じた見直しのタイミング
一度住宅ローンを組んだあとも、ライフプランの変化や年収アップのタイミングで見直すことが可能です。
例えば、次のようなケースでは借り換えや繰り上げ返済も検討しましょう。
- 年収が上がった
- 子どもが独立して生活コストが下がった
- 金利が下がってきた
住宅ローンは時とともに変わる指標でもあるのです。
シミュレーションを活用した住宅ローン選び
「住宅ローン いくら借りられるか」は、ネット上のシミュレーターでも簡単に確認できます。
おすすめは以下のポイントをカバーしたシミュレーターです。
- 年収や返済負担率に応じた借入可能額の試算
- 金利タイプ(固定・変動)の選択
- 将来の収入変動も考慮できる機能
自分の年収に合わせた住宅ローンを無理なく選ぶためにも、シミュレーターは積極的に活用しましょう。
まとめ
年収に見合った住宅ローンで安心のマイホーム購入へ
年収に応じた住宅ローンの借入可能額は、マイホーム購入の出発点です。
しかし重要なのは「住宅ローンがいくら借りられるか」だけでなく、「いくらなら安心して返せるか」という視点です。
現実的な返済計画を立てるためには、自身の収入や支出、将来のライフプランまで見据えることが欠かせません。借り過ぎず、無理のない住宅ローン計画を立てて、安心・安全な暮らしを実現しましょう。
家づくりは人生の大きな決断のひとつ。このコラムが、あなたの住宅購入における不安を少しでも軽減できる手助けとなれば幸いです。