Column
コラム
-
注文住宅における間取りの選び方ガイド|後悔しないためのポイントとは?
2025.6.1
#家づくりの疑問
#お家の豆知識
「せっかくの注文住宅、理想の間取りを叶えたい」そんな想いから家づくりを始める方は多いものです。しかし、現実には「もっと収納が欲しかった」「子どもが成長してから不便さに気づいた」と、注文住宅の間取りに後悔する声も少なくありません。家は一生に一度の大きな買い物。だからこそ、注文住宅の間取りについては、しっかりとした知識と計画が必要です。
本コラムでは、失敗しないための間取り選びのポイントを、分かりやすく解説します。
これから家づくりを考えている方にとって、実用的なヒントが満載です。
注文住宅の間取りを考える前に知っておきたい基本

注文住宅の間取りとは、単なる部屋の配置だけではなく、住まい全体の暮らし方をデザインすることです。建売住宅とは異なり、自分たちの生活スタイルに最適な住空間をゼロから設計できるのが魅力ですが、自由度が高いからこそ難しさもあります。
間取りを考える上での基本は「ゾーニング」と「動線計画」です。ゾーニングとは、リビング、ダイニング、寝室、浴室などの生活エリアを明確に分けること。一方で動線計画は、家の中で人がどう動くかを想定した導線の設計です。この2つの要素を意識することで、暮らしやすさは大きく変わります。
家族構成とライフスタイルに合わせた間取りの考え方
注文住宅の間取りは、住む人の家族構成やライフスタイルに合わせることが重要です。例えば、共働き夫婦の場合は家事効率を重視した間取り、子育て世代なら家族の気配を感じやすいLDKの配置、高齢者と同居する家庭ではバリアフリー設計が求められるかもしれません。
家族の将来の変化にも配慮が必要です。今は小さな子どもがいるご家庭でも、数年後には子ども部屋が必要になったり、独立した後は使わなくなったりと、ライフステージによって間取りに求められるものは変わります。
注文住宅のおける間取りの具体的なチェックポイント
注文住宅における間取りを考える際には、以下のようなチェックポイントを押さえておきましょう。
- 玄関の収納力(シューズクロークや土間収納)
- キッチンから洗面・浴室までの動線
- リビングの広さと光の入り方
- 寝室の位置と音の影響
- 子ども部屋の将来性
- テレワークや趣味に使える空間の有無
- 各部屋の収納バランス
特に収納は「足りなかった」と感じることが多い部分です。設計の段階で収納の量と使い方をしっかりシミュレーションしておくことが肝心です。
動線設計の重要性とその具体例

暮らしやすさを左右するのが「動線設計」です。注文住宅における間取りで最も満足度に差が出る要素のひとつでもあります。
例えば「家事動線」は、キッチン、洗面所、バルコニー(洗濯干し場)がスムーズにつながるように配置することで、日々の家事が効率よくこなせます。また「生活動線」は、帰宅後の動き(玄関→手洗い→リビング)などが自然に流れることでストレスを減らせます。
さらに「来客動線」も考慮すると、プライベートな空間を守りながら、ゲストを快適に迎えることができます。
採光・通風・風通しの工夫
間取りは快適性にも直結します。特に「光」と「風」は、室内環境に大きな影響を与える要素です。
南側にリビングを配置し、大きな窓で採光を確保することで、日中は自然光で明るい空間が生まれます。また、風通しを意識した窓の配置や開口部の取り方は、室内の空気を循環させ、夏の暑さや湿気対策にも有効です。
間取り設計の際には、必ず敷地の方角や隣家との距離を確認し、実際の日射や風の流れを考慮しておきましょう。これは、土地選びの時から注意すべきポイントとなるため、土地探しの時点では、敷地の広さや価格に目が行きがちですが、隣同士になる家の配置や建物の高さなどが、その後自分たちが建てる家の間取りに影響することを覚えておきましょう。
将来の変化を見越した間取りプラン
家族構成やライフスタイルは、時間とともに変わります。その変化を見越した柔軟な間取りが、注文住宅においては重要です。
例えば、仕切りをつけずに広く設計しておき、将来必要に応じて部屋を分割できるようにする。もしくは、平屋でも後からロフトや収納スペースを増設できる設計にしておくといった工夫です。
また、将来的なバリアフリー対応や、親との同居を想定した空間づくりも視野に入れておくと、長く快適に住み続けることができます。
注文住宅における間取りでよくある失敗と対策
注文住宅の間取りでありがちな失敗には、以下のような例があります。
- コンセントの数が足りない・位置が悪い
- 冷暖房の効率を考慮していない
- 音の問題(トイレや水回りが寝室に近い等)
- 将来のリフォームを想定していない
これらはすべて、事前の生活シミュレーションやヒアリングで回避できるケースです。家づくりの段階では見落としがちな部分だからこそ、担当の設計士や工務店と何度も話し合いを重ねることが大切です。
間取りに迷ったときの判断基準
数ある選択肢の中で「どの間取りがベストなのか」迷ったときは、以下の視点を持つことが判断基準になります。
- 自分たちの”暮らしの優先順位”を明確にする
- “今”だけでなく”将来”の視点を持つ
- “快適性”と”機能性”のバランスを考える
また、モデルハウスの見学やOB宅訪問など、実際の住まいを見ることでイメージを具体化することも効果的です。第三者の意見を参考にしつつ、自分たちにとっての「ちょうどいい間取り」を見つけていきましょう。
まとめ
注文住宅における間取りで後悔しないために
注文住宅における間取りの選び方は、単に見た目の良さや流行にとらわれるのではなく、自分たちの暮らし方を深く見つめることから始まります。
何を大切にしたいのか、どんな暮らしを実現したいのか。そのビジョンを持って設計に臨めば、きっと後悔のない間取りを実現できるはずです。
自由度の高い注文住宅だからこそ、間取りの設計にはじっくりと時間をかけ、プロの意見も活用しながら、理想の住まいづくりを進めて行きましょう。