• 地震に強い家の特徴とは?構造や形など様々な観点から解説

    地震に強い家の特徴とは?構造や形など様々な観点から解説

    2025.6.26

    #お家の豆知識

    地震に強い家の特徴とは?構造や形など様々な観点から解説

地震大国と言われている日本。家づくりで重要視されているのが「地震に強い家」です。
地震に強い家を建てるためには、工法や構造などをしっかり把握しておくことが大切です。万が一の災害に備えた、安心して過ごせる住まいを実現したい方は、ぜひ参考にしてください。

地震に強い家の特徴

好きをデザインする四角い家外観

まずは、地震に強い家の特徴について紹介します。

地震に強い家の形はシンプルな四角形

地震に強い家の特徴は、建物の外観に凹凸がなく、正方形や長方形に近いシンプルな形状と構造であることです。正方形の家は揺れを均等に分散できるため、安定性が向上し、建物の破損や倒壊のリスクを軽減することができます。

反対に、窓やドアなどの開口部が多すぎる場合は、壁の強度が低下するため、地震時の安全性が損なわれることがあります。複雑な形状の家が耐震性を高めるためには補強が必要になるため、コストがかかりやすくなってしまいます。

建物の材料が軽量であること

地震に強い家を設計する際には、重量の少ない建物である必要があります。地震のエネルギーは建物の重量に比例して大きくなるため、建物の重量が増えると、その分地震時に受ける揺れの力も大きくなります。

鉄骨造や鉄筋コンクリート造より、木造などの比較的軽量な材料を使用することで、地震の衝撃を軽減することが可能です。

周辺の地盤の強さ

地震に強い家づくりをするには、周辺の地盤の強さも重要です。地盤が強い土地に家を建てることで、地震の際に家が揺れにくい、倒壊リスクが低いなど、様々なメリットがあります。
これから新たに家を建てる際には地盤調査をし、その結果を確認しましょう。

地震に強い家の基礎知識

地震に強い家を建てるには、適切な構造や工法の選択が鍵となります。

地震に対応するための工法には「免震」「制震」「耐震」の3種類があり、どれも地震の揺れから建物自体を守るために重要な役割を果たします。

免震

「免震」とは、地震の揺れが建物に直接伝わるのを防ぐために、建物と地盤を切り離す構造のことです。

免震構造は、建物の倒壊だけではなく、建物内部の損傷や家具の転倒などを防ぐ効果もあります。制振や耐震に比べ、大地震でも建物が揺れにくいのが特徴です。
しかし建築コストが高くなりやすく、定期的なメンテナンスが必要になることがあります。

制震

「制震」は、地震の揺れを吸収して建物の揺れを抑える技術です。制震装置を建物の骨組みに取り付けることで、地震による揺れを軽減し、建物の損傷や変形を防ぎます。

耐震工法に比べて建物内部の損傷を防ぎやすい反面、建築コストは高額になる傾向があります。
また、土地の地盤が弱いと導入できない場合があるので注意が必要です。

耐震

地震の揺れに耐えるために、建物自体の強度を増すことで、地震の揺れに耐えるように設計することを「耐震」と言います。柱や梁を太くしたり、耐力壁を増やしたりするなどの方法があります。
一般的な注文住宅では、コストパフォーマンスに優れる「耐震」が採用されることが多いですが、地震による揺れの影響を受けやすいという点を持ちます。

免震や制震はビルなどの大規模な建物で採用されることが多い構造で、住宅会社によっては一般住宅に取り入れているケースもあります。また、大きな地震のあとはメンテナンス費用がかかりやすいため注意が必要です。

地震に強い家の住宅構造

外観

日本の住宅の構造として一般的に用いられるのは、「木造」「鉄骨造」「RC造」の3種類です。それぞれ耐震性、耐久性、コストにおいて違いがあります。
地震に強い家を建てるためには、構造ごとの特徴や建築費用の違いも確認しておきましょう。

木造住宅

新築一戸建てにおける木造の採用率は約9割と大半を占めています。木造に使われる木材は重量が軽く、建築費用を抑えつつ耐震性を高められるため、多くの戸建て住宅で採用されています。

木造住宅の主な構造は、「木造軸組工法(在来工法)」と「枠組壁工法(ツーバイフォー工法)」の2種類があります。

木造軸組工法

日本で古くから使われてきた伝統的な工法。
柱と梁を組み合わせて建物の骨組みを構成する建築手法。

枠組壁工法

木材の枠組に構造用合板などを打ち付け、壁・床・屋根などを形成する工法。
面全体で建物を支えるため、在来工法と比べて耐震性や断熱性、気密性に優れるのが特徴。

ほとんどの住宅では、木造軸組工法が採用されていますが、最近はそれぞれの利点を組み合わせたハウスメーカー独自の工法なども登場しています。

鉄骨造

鉄骨造とは、建物の骨組みに鉄骨を用いた構造のことです。
鉄骨は丈夫で粘り強い素材であるため、地震の揺れに強く、耐震性に優れています。

重量鉄骨はビルなどの大型建築物に使われるイメージが強いですが、柱のない大空間をつくる際などに戸建て住宅に採用されることもあります。

鉄骨は工場で製造され、品質が安定しているため、建築時に誤差が少なく、建物の品質を高く保つことができます。
その一方で鉄骨造は扱うハウスメーカーが少なく、建築費用も高くなる傾向があります。

RC造

RC造は、鉄筋コンクリート造(Reinforced Concrete)の略で、鉄筋とコンクリートを組み合わせて建物を構築する工法を言います。

鉄筋とコンクリートの組み合わせにより、複雑な形状や、広い間取りなど、自由度の高い設計が可能です。耐震性だけでなく気密性や断熱性も高いため、快適な住環境をつくりやすいのもポイントです。

しかし他の工法と比べ、熱伝導率が高く、結露やカビが発生しやすい、コストが高いといったデメリットがあります。

まとめ

地震に強い家を建てる際のポイント

地震に強い家を建てるために、耐震性能を示す指標である耐震等級は、家を選ぶ際に重要なポイントです。地震に対する建物の倒壊などを防ぐ、耐久力を示す基準のことです。1〜3の等級があり、数字が高くなるほど耐震性は高いとされています。

耐震等級1:建築基準法の最低限の耐震基準を満たす

耐震等級2:耐震等級1の「1.25倍」の地震に耐えられる強さ

耐震等級3:耐震等級1の「1.5倍」の地震に耐えられる強さ

耐震等級3は耐震基準では最も高いレベルです。
震度6強~7の大地震が発生しても、建物が倒壊・崩壊しないように定められた基準になっています。

 耐震等級を取得した住宅は、地震保険料に最大50%の割引が適用され、保険料負担が軽減できます。 地震に強い家とは、大きな地震が来ても倒壊や崩壊を免れるように、構造、形状、地盤など様々な対策が施された家のことです。
加えて、新耐震基準に適合していることや、耐震等級の高い住宅を選ぶことも大切です。家族の安全と、地震後の生活を守るためにも、地震に強い家づくりをしましょう。

テクノデザインでは、耐震等級3を標準とし、地震に強い家づくりを行っています。このコラムを参考にして地震に強い家を目指しながら、理想の家づくりを叶えましょう。